働き方

「修正は何回まで?」終わらない修正地獄を防ぐ、取り決め方と伝え方

「修正は何回まで?」終わらない修正地獄を防ぐ、取り決め方と伝え方

「あと少しだけ」が、終わらない

デザインを提出した。修正が来た。直した。また修正が来た。…直した。また来た。

気づけば5回目。当初の見積もりに、この作業は入っていない。でも「これで最後なので」と言われると、断れない。…そして今日も、終わらない修正のために夜が溶けていく。

しんどいですよね。しかもこれ、あなたの実力不足のせいじゃないんです。修正地獄は、たいてい「回数を決めていなかった」という、たった一つの構造から生まれています。

今日は、修正回数の相場と、地獄を防ぐ取り決め方、そして「ここからは追加料金です」の伝え方まで、実務的に整理していきますね。

修正回数の相場は「2〜3回」

まず基準から。Web制作・デザインの現場では、修正は2〜3回までを含む、とするのが一般的です。

  • デザイン案の提出後:2回程度の修正を含む
  • コーディング後:軽微な調整を1〜2回程度
  • それ以降は追加料金、あるいは別途見積もり

これは「冷たい」ルールではありません。回数を決めることは、相手のためにもなるんです。無制限だと、クライアント側も「いつ終わらせればいいのか」が分からず、際限なく迷い続けてしまう。…終わりを決めるのは、お互いを守る線引きなんですよね。

なぜ修正が終わらないのか。原因は3つ

修正地獄が起きる3つの原因と対策の図解

回数を決めていない、以外にも、構造的な原因があります。

原因①|回数と範囲が、決まっていない

いちばん多いのがこれ。「修正は2回まで」だけでなく、何を修正と呼ぶかも決まっていないと揉めます。

色を変える、文言を差し替える、これは修正。…でも「やっぱりレイアウトを全部変えたい」は、修正ではなく作り直しですよね。ここが曖昧だと、作り直しが「修正1回」として無限に飛んできます。

原因②|決裁者が、途中から出てくる

これも消耗の定番。担当者とOKを出したのに、後から上司や社長が登場して「やっぱり違う」となるパターンです。

誰が最終決定するのかを最初に確認していないと、承認が何度もひっくり返ります。…これは能力の問題ではなく、進め方の問題です。

原因③|フィードバックが、抽象的

「なんかしっくりこない」「もう少しいい感じに」。…この指示だと、直しても当たらないので、往復が増えます。

抽象的なフィードバックは、相手が言語化できていないだけ。こちらから具体化を手伝うと、往復が激減します。

地獄を防ぐ、4つの取り決め

着手前に決めておくだけで、ほとんどの修正地獄は防げます。

  • ① 回数を明記する … 「デザイン修正は2回まで、以降は1回あたり◯円」と見積書・契約書に書く
  • ② 修正の範囲を定義する … 「色・文言・画像差し替えは修正/レイアウト変更・方向性の変更は別途」
  • ③ 決裁者を確認する … 「最終的にご確認いただくのはどなたですか?」を初回に聞く
  • ④ フィードバックの出し方を決める … 「修正はまとめて1回でお送りください」「該当箇所と理由を添えてください」

特に①と③は効果が大きいです。見積書に1行足すだけ、初回に一言聞くだけ。…それだけで、後の何十時間が守られます。

「ここからは追加料金です」の伝え方

決めていても、越えてくることはあります。そのときの伝え方を、型で持っておきましょう。

基本の型:責めずに、事実と選択肢を示す

「ご確認ありがとうございます。当初のお見積もりでは修正2回までとしておりまして、今回で3回目となります。こちらの修正内容ですと、追加で◯円(作業時間◯時間程度)を頂戴する形になりますが、進めてよろしいでしょうか。」

ポイントは3つ。①最初の取り決めを思い出してもらう ②金額を具体的に示す ③相手に判断してもらう。感情ではなく、事実と選択肢を並べるのがコツです。

「作り直し」レベルの依頼が来たとき

「ご要望承知しました。こちらは当初の方向性から変更となるため、修正ではなく再制作に近い作業となります。別途お見積もりをお出ししてもよろしいでしょうか。」

修正と作り直しは違う、と線を引くだけです。相手も、悪気なく言っていることがほとんどなので、説明すれば通ります。

取り決めをしていなかった場合

過去分は諦めて、ここから先を変えるのが現実的です。

「ここまでの修正で当初の想定を超えておりますので、恐れ入りますが、今後の修正につきましては別途お見積もりとさせてください。」

言いにくいですが、言わなければ永遠に続きます。…そして経験上、ちゃんと説明すれば、たいていの相手は納得します

それでも変わらない相手なら

取り決めをしても、無視して無制限に要求してくる。金額の話をすると不機嫌になる。…そういう相手も、残念ながらいます。

そのときは、関係そのものを見直すサインです。修正地獄で消耗している時間は、本来もっと良い仕事に使えた時間なんですよね。取引先を「単価×消耗度」で仕分ける方法は、値上げ交渉と取引先の見直し方に書きました。

そもそも「作るだけ」の受け方をしていると、修正の主導権を握れません。この構造そのものについては単価が安いから抜け出す記事もあわせてどうぞ。

まとめ:線を引くのは、冷たさじゃない

ぎゅっとまとめますね。

  • 修正の相場は2〜3回まで。それ以降は追加料金が一般的
  • 終わらない原因は3つ:回数と範囲が未定・決裁者が不明・フィードバックが抽象的
  • 防ぐ取り決めは4つ:回数を明記・範囲を定義・決裁者を確認・出し方を決める
  • 越えられたら、責めずに事実と選択肢を示す
  • 変わらない相手なら、関係を見直していい

修正地獄でしんどいのは、あなたが弱いからでも、遅いからでもありません。線が引かれていないと、人は際限なく求めてしまう。それだけのことなんです。

次の案件の見積書に、まず一行。「修正は2回まで」。…それだけで、かなり景色が変わりますよ。

Web制作の値上げ交渉と、消耗する取引先の見直し方はこちら

Web制作の単価が安い…から抜け出す記事はこちら

そもそも「何がきついのか」から整理したい人はこちら

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